海外のタクシー事情の共通認識は「白タクを利用しないこと」ですが、万が一、間違えて白タクに乗りこんでしまったらどうなるのか?を調査すべく、今回はホーチミン/タンソンニャット空港から市内1区まで白タクを利用してみました。
白タクの常套手段
アプローチ方法
空港から市内までの平均的はタクシー料金より安い値段で誘いをかけてくる。『チープタクシー!チープ、チープ』『タクシーライセンス!』と首からさげたIDらしきものを見せてくる。というあたりでしょか。とにかくしつこく付きまとってきますね。
ぼったくりの手法
様々の情報をかき集めた結果、ホーチミンでは次のような「ぼったくりの手法」があるようです。
- 目的地に到着したら、道が混んでいたなどの意味不明な理由で、交渉値段時以上の請求をしてくる
- メーターがあるからと安心させ、不正改造されたメーターが異常に早いペースで値段上昇していく
- タクシーに空港使用料がかかると高額な追加料金を請求してくる(その旨が書いてある、お知らせダミーの用紙を持っているケースも有り)
- 0の桁が多い「ベトナムドン紙幣」に慣れていない旅行客をいいことに、財布の中の紙幣の種類を教える振りをして紙幣を抜き取る
それでは、早速「白タク利用の体験」ストーリーを公開していきます。
白タク体験ストーリー
通常のメータータクシーであれば、タンソンニャット空港から市内1区まで平均12万ドン~15万ドンあたりが相場なタクシー料金。今回、10万ドンだよ!と近づいてきた白タクに2回値段の再確認をして承諾しました。
次に、値段を交渉した白タク人は、他のドライバーを紹介してきました。(心の声‥なるほど、値段の言った!言わない!問題をクリアするためチームを組んでいるのかなと推測)言われた通りドライバーについていきました。(*このドライバーを『ドライバーA』としましょう。また値段交渉した白タク人を交渉役Aと呼びます)
案内された車は、ワンBOXカーの当然タクシーマークやペイントがない普通の車です。
ドライバーAは荷物を車に積み込む手伝いをしたり、やたらと笑顔で「どこから来たの?」「ベトナムは初めて?」などと話しかけてきました。
今回はぼったくりの『カモ』に成りきるためベトナムは初めてだよ!と答える。
ここまでは、何もぼったりのアプローチはない。
車が動き10mほどで停車。ドライバーAは、「空港使用料が17,500ドンになります」と言っていた。(心の声‥はい!来ました!ぼったくり‥‥でも、タクシー空港使用料は嘘ではなく、本当にかかる料金なのです。正規料金は10,000ドンですからぼったくり額なんと7,500ドン(37円)‥‥ぼったくりとしては弱い!不思議だ?)
ぼったくり額が少ないことを理由に、この時点では、何も言わず『20,000ドン紙幣』をドライバーAに渡そうとすると「この紙幣は金額を大きすぎるよ!もっと細かい紙幣はないか?」と受け取らない。
(心の声‥いやいや旅行者が細かい紙幣なんて持っていいるわけないだろ!しかも500ドン札なんて滅多に見ないよ!)と思いながら、「じゃーおつり要らないよ」とドライバーAに提案してみた。
この辺りのやり取りからドライバーAからは、笑顔が消えイライラした様子でベトナム語と英語が混ざる口調になってきました。私の提案に対し、ドライバーAの返事は「(ドライバーAが)俺が細かい紙幣に両替してくるから財布を見せてくれ」とのこと。
(心の声‥はい!来ました!事前情報とおりのぼったくり手法)後部座先に座っている私は、ドライバーAが手を伸ばしても届かない距離で財布を見せると、もっと近くで見せろといわんばかりの強いジェスチャーで手招きをしてくる。この時点ではドライバーAはベトナム語を喋っていて何を言っているか正確には理解ができない。
ぼったくり検証ですから、多少のぼったくりを覚悟していたが、さすがに財布の中身をスラれるのはアウトなので、「わかった!乗るのをキャンセルする!」と一方的に下車しました。
すかさず、先ほどの交渉役A(*交渉役Aはわりと英語が喋れる)が近寄ってきて「どうしたの?」と白々しく聞いてくる。私は先ほどのドライバーAとのやり取りに不満があると告げると「OK!OK!」と私をなだめる仕草をして、新たにゼダン車とドライバーBを連れてきた。
さらに今回は、助手席に乗るよう促してくる。警戒度を上昇させ乗りこみました。この辺のやり取りは簡単に書きます。簡単に言うと空港使用料17,500ドンのくだりの再来です。助手席である分、ドライバーBとの距離が近いので、財布からお金を抜き取りやすいとでも考えた作戦なのではないかと推測します。
再度、一方的に下車した、私に再々度アプローチしてくる交渉役A。(心の声‥こいつのハート強いな!)さすがに紙幣抜き取り手法を断念したのか、今度は携帯の電卓に150,000ドンを打ちこみ、また新たに連れてきたドライバーCと私に見せてきました。(いや、初めの値段より5万ドン高いから)と思いながら乗車する。
さてこれからどうなることかと思いながら、空港を出発しました。
車中のドライバーC推定50歳くらいのおっちゃんは、ベトナム語ラジオを聞いていたが、気を利かせてくれたのか、英語の歌が流れているチャンネルに変えてくれた。車中に会話はないが、特にピリピリした雰囲気はない。
Googleマップで目的地まで最短ルートを辿るか確認したら、見事にルートどおりに順調に進んでいます。警戒心は解けないが次に警戒すべきところは、目的地に到着した後の、支払いをするときだな!と心に訴える。
無事に最後まで最短ルートで到着した。
私は、ドライバーCに約束の150,000ドンを渡すと英語のしゃべれないドライバーCは、指で5という数字を私に示してくる。チップ文化のないベトナムだが5,000ドン(25円)ならと思い。渡そうとすると違う!とジェスチャーして自分の持っていた50,000ドン紙幣を見せてきた。
(心の声‥これは、空港使用料高額請求の手法か!やっぱり最後までぼったくりか!)空港使用料の正規料金は10,000ドンですがドライバーCの手に10,000ドンを無理やりつかませる!ホテルのセキュリティも近くに来てくれたので、ドライバーCが何か言っていたようだが無視してホテルに入りました。
その後、ドライバーCは、ホテルまで私を追いかけてくることはなく、車を発進させてました。
おしまい!
今回の白タクとのやり取りを整理します。
ぼったくり手口のおさらい
- 空港使用料を中途半端な金額に設定して請求し、おつりがでない紙幣はないかと財布を見せろという手口
- 空港使用料を正規金額より高額請求してきた
ベトナムで知り合った方の情報
ベトナム在住の日本人の方に白タク体験を聞いてみると、「後部座席のドアを開放するノブが出られないように折られていた」「チャイルドロックが掛かっていて車中からドアを開けれなかった」という体験をしたというから、恐ろしい!
わかっていたことですが、やはり白タクは利用しないがマストです。しかし、今回の検証でわかったことは、車に乗りこんだ初期におかしいと思った段階で、相手ペースに合わせることなく下車する・キャンセルする意思を示すいうことが重要です。
重ね重ねですが、白タクの利用は犯罪に巻き込まれる危険性もあるので控えるではなく『やめましょう』ということですね。